東芝デジタルエンジニアリング株式会社

なぜか工場向けで導入が進む訪問者受付管理システム

なぜか工場向けで導入が進む訪問者受付管理システム

「なぜか工場向けで導入が進む訪問者受付管理システム」

2023年7月12日に国内最大級のニュースサイトで取り上げていただいた、弊社で開発・販売する受付管理システムTQSPassport Receptionの記事のタイトルになります。

弊社では、2017年にオフィス向けにTQSPassport Receptionの原型となる受付管理システムを開発しました。
その後、自社での利用やお客様の声を取り入れて進化させてきました。
開発した2017年当時に求められたニーズも、時代の流れと共に大きく変わり、"工場の受付"に強い受付システムへと進化させてきました。

どの会社にも必要とされる"受付業務"に求められるニーズや、それに対応してきた弊社の取り組み、TQSPassport Receptionをご利用いただいているユーザー様の事例をコラムとして執筆したいと思います。

お読みいただいた方に何かしらの形で参考になれば、嬉しい限りです。

1.訪問者受付管理システム「TQSPassport Reception」とは

まずはじめに、弊社で開発・販売する訪問者受付管理システム「TQSPassport Reception」を簡単にご紹介させていただきます。

「TQSPassport Reception」は、受付業務の業務効率化、省力化を実現する製品です。
取引先などから訪問のアポイントを得た社員は、「TQSPassport Reception」に来訪の登録を行います。
来訪の登録を行うと、来訪者にQRコード付きの招待状が送付されます。
訪問当日、来訪者はQRコード付き招待状を受付で読み取らせるだけで入場手続きが終わり、同時に訪問先の社員への訪問連絡が行われます。

この一連の流れは、TQSPassport Receptionの標準機能で実現することができ、受付業務の大幅な効率化、省力化を実現することができます。

  • 訪問予約(事前)
    従業員による来訪予約の流れ
    • ① 来訪者と打合せのアポイント調整後、TQSPassport Receptionに来訪予約を登録
    • ② 来訪者にQRコード付きの招待メールが自動送信
  • 訪問当日
    訪問当日の流れ
    • ① 来訪者は、事前に送付されたQRコード付き招待メールを受付で読み取り
    • ② TQSPassport Receptionが訪問可否を確認
    • ③ 訪問可の場合は、訪問先に来訪者の来訪を通知

受付業務を効率化・省力化するのに十分な標準機能に加え、非接触型体温計との連携による来訪者の体調チェック、訪問予約と同時にカレンダーへの自動登録など、豊富なオプションもご用意しています。

また、お客様のシステムとのデータ連携や免許証による本人確認、乗り入れ車両の管理(ナンバー自動認識)、入場に必要な受付表やIDカードの自動貸与など、自社開発ならではの特長を活かし、柔軟なカスタマイズもご提供しています。

2.企業・工場受付に対するニーズの変化

このように、企業の受付に必要な業務を標準機能として搭載するTQSpassport Receptionですが、2017年の開発以来、お客様のニーズは大きく変化してきました。TQSpassport Receptionは、その都度、ニーズに応じたバージョンアップやオプション追加を繰り返して進化を遂げてきましたが、ここではどのようなニーズの変化があったのか、ご利用者様の導入事例をピックアップして振り返ってみたいと思います。

(1)2017年頃のニーズと事例

開発当時のお客様のニーズは、「来訪者を待たせないスムーズな受付」と「受付業務の効率化」の2点でした。現在のTQSPassport Receptionの標準機能は、この世代で装備されています。
この時期に導入いただいたお客様の課題と効果を整理してみたいと思います。

① 精密機械製造業様におけるニーズ(課題)と導入効果

某製造業様の工場への来訪者を管理する仕組みとしてご利用いただいたケースになります。

  • 課題
    • 来訪者が多い時間帯でも、来訪者が受付で待つ時間を最小にしたい
    • 持ち込み禁止品の管理が重要であるが、工場の入退出に時間がかかってしまう
  • 導入効果
    • 導入前と比べて、受付の待ち時間を30%短縮
    • システム化により高レベルの入退出管理と持ち込み品管理を実現
精密機械製造業様におけるニーズ(課題)と導入効果

(2)コロナ禍におけるニーズと事例

新型コロナウィルスが猛威を奮っていた頃で、お客様のニーズは「感染対策」と「受付の無人化、省人化」の2点でした。
この時期に導入いただいたお客様の課題と効果を整理してみたいと思います。

① 自社導入の課題と導入効果

コロナ対策でオンラインでの会議が主流となり、弊社への訪問も激減したものの、止むを得ず、弊社を訪問いただくお取引様はいらっしゃいました。コロナ禍前ほどではないものの、訪問が集中する時間には受付周辺にマスクを着用したお客様にお待ちいただくこともありました。

訪問いただくお客様をできるだけ待たせないことを第一に、弊社受付スタッフへの感染対策、ご自身でも気が付かない発熱があるお取引先様を作業フロアに入れないことを目的に、体温管理のオプション機能を導入しました。

  • 課題
    • 密対策として、受付で来訪者を滞留させないために、短時間で確実な受付を行う
    • 受付スタッフの感染対策、来訪者を起因にした職場でのクラスター防止
  • 導入効果
    • 受付待ち時間を1/10に短縮、受付におけるお取引様の滞留時間ゼロ
    • 来訪者の体温測定によるチェックと保管により、後日、来訪者が感染確認した場合の弊社社員の感染確認とクラスター予防
自社導入の課題と導入効果

② 農業機械製造業様におけるニーズ(課題)と導入効果

某製造業様の工場への来訪者を管理する仕組みとしてご利用いただいているケースになります。

  • 課題
    • 紙で行っていた入構・退出時の受付業務の効率化
    • コロナ禍によって増えた消毒・検温などを含めた受付業務の迅速化
    • 来場者情報や訪問先をデータで管理しセキュリティを徹底
  • 導入効果
    • コロナ禍により検温などの手順は増えたが、来訪者ひとりあたり平均3分かかっていた受付時間が約30秒に短縮
    • 「だれがいつ来訪したか」などの入退場データに関する管理業務を削減

(3)最近のニーズと事例

新型コロナウィルスが収束し、従来のビジネス活動が戻ってきた現在のお客様のニーズは、「警備業務の改善(人手不足解消)」と「セキュリティ対策」の2点になります。

① 鉄鋼メーカー様におけるニーズ(課題)と導入効果

某鉄鋼メーカー様の工場への来訪者を管理する仕組みとしてご利用いただいているケースになります。

  • 課題
    • 警備員の方が受付対応に時間をとられている状況を改善し、警備業務に専念させたい
    • 目視で行っている本人確認の作業を自動化してセキュリティレベルを向上させたい
  • 導入効果
    • 無人受付機の導入により、警備業務の効率化を実現
    • 無人受付機の中に券面写真と来訪者の顔を同時に認証する仕組みを構築、本人確認の自動化とセキュリティレベルの向上を実現
鉄鋼メーカー様におけるニーズ(課題)と導入効果

このように、ビジネスシーンの変化と共に受付業務のニーズも変化してきましたが、弊社で開発・販売するTQSPassport Receptionはお客様の声を大事にしつつ、ニーズに対応する進化を遂げてきました。

3.工場受付での利用が増えている理由

このコラムのタイトルである、「なぜか工場向けで導入が進む訪問者受付管理システム」として国内最大級のニュースサイトで取り上げていただき、また、TQSPassport Receptionのバージョンアップでは、新聞各社、WEBニュースで弊社プレスリリースを度々取り上げていただき、心から感謝しています。

おかげさまで、「なぜか工場向けで導入が進む訪問者受付管理システム」のタイトル通り、工場での受付業務を支える受付管理システムとして、多くのお客様にご利用いただけるようになりました。

ここでは、「なぜ工場向けでご利用いただけるのか?」について、少しお話したいと思います。

その答えは、ズバリ、豊富なオプションをご用意していることと、自社開発ならではの柔軟なカスタマイズが可能であることと考えています。

TQSPassport Receptionでは、10個のオプションをご用意しています。これらのオプションは、ご利用いただいたお客様から声をいただき、他のお客様でも有用であると考えたニーズに対して、コツコツとオプション追加を繰り返してきた結果、「いつの間にか増えてしまった」と言うのが本音です。

主なオプション機能
機能 内容
即時予約 事前登録のないお客様も当日の即時登録で入場可能です。
Web予約登録 来訪者自身で予約を行えます。
スケジューラ連携 来訪者の訪問予約と同時にスケジュール登録と会議室予約が行えます。
運送業者簡易登録 訪問時期も来訪者も未定な場合に有効です。
マルチテナント ひとつの受付システムで複数の会社が利用できます。

いずれのオプションもお客様の声を基に開発していますので、導入を検討いただく際、「他社で活用している有用なオプションを手軽に使える」ことがご好評をいただいている点になります。

続いて、自社開発ならではの柔軟なカスタマイズだと考えています。

受付管理システムは、弊社以外にも多くのITベンダー様で製品を販売されています。なかには、クラウドで安価に利用できる製品を販売しているITベンダー様もありますが、クラウドサービスでは単純な受付処理はできるものの、「自社の運用で必要な業務が実現できない」「自社向けにカスタマイズができない」などの声を多く耳にします。

弊社のTQSPassport Receptionを選んでいただけるポイントのひとつは、間違いなく、「自社開発ならではの柔軟なカスタマイズ」にあると思います。

カスタマイズの事例は例を挙げると大変な数になってしまいますので、ここでは、「なるほどっ!」と私が感じたTQSPassport Receptionのカスタマイズ事例をいくつか紹介したいと思います。

  • 受付後に構内の地図を自動で印刷
    非常に広大な敷地を有する工場の受付で、受付後に訪問先(建屋)までの地図を印刷して来訪者に提供されています。初めて訪問する来訪者にとって、広大な敷地で迷うことが無くなり、来訪者の満足度も大幅に向上されています。
  • 本人確認
    目視で行っている本人確認を、免許証などの券面写真と来訪者の顔を即時に認証する仕組みを構築し、自動化を実現しています。目視では、どうしても甘くなったり、すり抜けが出たりしますが、IT技術を活用することで手軽に、確実になりすましを実現されています。
  • 複数拠点を一元管理
    8工場をひとつの訪問者受付管理システム(TQSpassport Reception)で運用し、閲覧権限などを設定し、利便性の向上を実現しています。複数の工場を出入りする来訪者も多くいると思いますが、全ての拠点における来訪履歴を集中管理することを実現されています。

4.今後の機能追加の計画

TQSpassport Receptionは、いま現在も新たな機能の開発に取り組んでいます。

最近では、万が一、工場内で災害が発生した場合、場内にいる来訪者が避難場所に避難できたかを管理することができる「災害時点呼オプション」を開発してリリースさせていただきました。

場内で働く社員には、定期的な避難訓練や点呼、安否確認の仕組みを導入している企業が多いのですが、場内にいるのは社員だけではありません。打ち合わせで訪問している取引先、場内で作業しているパートナー会社、清掃や工事などで場内にいる委託業者など、さまざまな方が場内にいます。

万が一、場内で災害が発生した場合、「社員の安否しか確認できていない」では、安心・安全なモノづくりの現場とは言えません。実際に、弊社のお客様である某製造業で火災が発生した際(幸い、大事にはなりませんでした)、場内にいる来訪者の把握ができていないことで、監督機関から注意を受けたとお聞きしました。

こういった万が一の事態に備え、社員だけではなく、来訪者の避難状況も把握することができる機能が「災害時点呼オプション」になります。

「TQSPassport Reception」災害時点呼(在館確認)機能概要

この他、招待メールのQRコードの高度セキュリティ対応、災害設備と連携した災害対策機能、顔認証による自動受付等、さまざまな機能追加を計画しています。ぜひお気軽にお問い合わせいただければ幸いです。

5.さいごに

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

国内最大級のニュースサイトで取り上げていただいたタイトル、「なぜか工場向けで導入が進む訪問者受付管理システム」に答える形でコラムにしてみましたが、いかがでしたでしょうか?

コラムですべてをお伝えすることはできませんので、「こういうことはできるの?」、「こういう時はどうすればよいの?」、「他社はどういう工夫をしているの?」等々、疑問があれば遠慮なくお問い合わせをいただければと思います。

弊社では、高い技術と知見を持つ数多くのITエンジニアが在籍しており、受付管理システムだけではなく、ERPの導入からクラウドサービス、ITの運用管理、AI/機械学習、インフラやセキュリティ等、ITを活用するための製品を数多く扱っています。ITシステムの導入や運用保守に関するご相談があれば、遠慮なくお問い合わせいただければ幸いです。

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