東芝デジタルエンジニアリング株式会社

AIチャットボットで総務業務を効率化し、社員の利便性を向上する方法とは

AIチャットボットで総務業務を効率化し、社員の利便性を向上する方法

コラムをお読みいただきありがとうございます。

2022年11月にOpen AI社が対話型生成AIのChat-GPTの提供を開始したことで、生成AIは一気に普及しました。簡単な操作で、文章や画像が自動で生成される技術に驚きを与えました。

弊社でも、業務効率化の観点で注目し、さまざまな部門での導入を検討してきました。特に、従業員の負担を軽減し、より戦略的な業務に集中できる環境を整えることに取り組んでいます。

今回のコラムでは、AIチャットボット活用による総務担当の業務効率化に関連した話題をお届けいたします。

1.総務部門でデジタル化したい業務は?

近年、企業のさまざまな業務のデジタル化が急速に進んでいますが、その中でも特に注目されているのが「社内問い合わせ対応」のデジタル化です。
『月刊総務』の調査によると、8割以上がこの数年で会社全体のデジタル化が進んだと回答。うち7割が管理部門(経理・総務)のデジタル化推進を実感している状況です。デジタル化されている業務の1位は、「入退社・勤怠管理」(73.8%)でした。

また、これからデジタル化したい業務については下図のように、1位に「社内問い合わせ対応」(46.2%)、2位「文書管理」(44.1%)、3位「請求書・契約書」(41.4%)となりました。

総務部門でデジタル化したい業務は?
出典:月刊総務オンライン
「会社全体のデジタル化が進んだと8割以上が回答。一方、8割の総務は収集データを活用できていない」
https://www.g-soumu.com/articles/202308dxquestionnaire?srsltid=AfmBOopCxZkuC2vawu1KeZqkjYMb8sVHUbQcwC5f8u21lEOIupYwi0I7
(月刊総務オンラインのサイトに移動します)

社内問い合わせ対応のデジタル化は、総務部門のデジタル化が進んでいる企業でも9位の20.7%にとどまっており、今後のデジタル化の優先事項として挙げられています。

2.問い合わせ対応の時間を減らすためにしている対策

総務部門では、問い合わせ対応の時間を減らすためにさまざまな対策が講じられています。まず、FAQ(よくある質問)を整備し、社員が自己解決できるようにすることが一般的です。これにより、基本的な問い合わせに対する対応時間を大幅に削減できます。また、社内ポータルサイトやイントラネットを活用し、必要な情報を一元管理することで、社員が迅速に情報を取得できる環境を整えています。

しかし、これらの対策だけでは限界があります。特に、複雑な問い合わせや個別対応が必要な場合、依然として多くの時間と労力がかかります。そこで、AIチャットボットの導入が注目されています。AIチャットボットは、24時間365日対応可能であり、基本的な問い合わせに対して迅速に回答することができます。これにより、総務担当者はより重要な業務に専念できる環境が期待されています。

3.膨大な量の社内資料から問い合わせシナリオを作るのは大変

従来型のチャットボットを導入する際の課題の一つは、膨大な量の社内資料に基づく問い合わせシナリオを作成することでした。社内には多くの規定や手続きが存在し、それらに対応するシナリオを作成するのは時間と労力がかかります。また、法改正などによる社内規程の改訂頻度も決して少なくはなく、その場合のシナリオの更新も必要になります。そのため、総務担当者にとってはチャットボットの導入や維持に負担を感じていたかもしれません。

しかしAIの進化によりチャットボットでもシナリオ作成が不要となりました。最新の生成AIは、自然言語処理技術を駆使して、社員からの問い合わせに対して即座に適切な回答を提供できます。これにより、総務担当者はシナリオ制作に費やす時間を節約し、その負担を軽減できるようになります。

4.問い合わせ対応に生成AI(AIチャットボット)を活用

弊社が提供するAIチャットボットは、セキュアなクラウド環境上で、お客様専用のデータベースと画面を提供し、規程集や業務マニュアルなどを生成AIに学習させて、問い合わせ業務を効率化します。

弊社サービスの特長
  • (1)専用環境の導入で、生成AI利用時の情報流出を防止
  • (2)生成AIやクラウドなどの専門知識は不要、経験豊富なエンジニアがしっかり導入
  • (3)導入教育や運用・保守など、生成AIの導入、活用をしっかりサポート
  • (4)社内利用を促す、お客様専用の画面を提供
    社内利用を促す、お客様専用の画面を提供
    AIチャットボット サービス画面イメージ
    • トップメッセージ
      システム名称やタイトルなど、お客様のご要望に沿って表記します
    • 操作説明
      利用方法や注意書きなど、お客様のご要望に沿って表記します
    • サンプル質問
      利用が多い質問などを表記して、利用を促進します
    • 質問入力
      利用者が質問を入力します

5.弊社でもAIチャットボットを使っています。アンケート結果も共有

弊社も、規程に関する問い合わせに生成AIが回答する「社内規程検索サイト」を利用しています。以前は、社員が社内ポータルサイトに掲載している規程文書を1つずつ開き、求める情報を集める必要がありました。不明点がある場合は先輩社員に尋ねたり、関連する部署に電話やメールによる問い合わせを行ったりしていました。

しかし、AIチャットボットを導入したことで、会話形式で直感的に規程を検索し、社員自身が迅速に情報を見つけられるようになり、業務スピードの向上に役立っています。

会話形式なので簡単に検索、社員自ら調べて業務スピードアップ

弊社では、経営管理や情報管理など200種類以上にもおよぶ規程を生成AIに学習させて、2024年6月からAIチャットボットの社内活用を始めています。学習させた社内規程のカテゴリーの一部をご紹介します。

  • 経営関連:約30規程
  • 調達関連:約50規程
  • 情報関連:約120規程
  • 輸出関連:約20規程

また、利用開始から2ヵ月後に社員アンケートを取ったところ、58人の回答がありました。
回答内容が合っていた「64%」、サイトが有用だと思う「82%」という結果から、AIの活用により、社内業務の効率化が進んでいると感じています。

社内規定検索サイト 利用者アンケート結果(2024年8月 当社調べ)

今後、アンケート内容を分析しサービスを改良しながら社内活用を促進させるとともに、お客様への紹介もおこなっていきます。

6.今後の展望

今回は、AIチャットボットで総務業務を効率化し、社員の利便性を向上する方法をご紹介しました。将来的には、生成AIの技術はさらに進化し、総務担当者の業務を一層効率化することが期待されます。

例えば、AIがより高度で複雑な問い合わせにも対応できるようになることで、総務担当者の負担はさらに軽減されるでしょう。また、生成AIは社員のスキル向上にも寄与する可能性があります。AIが提供する情報を活用することで、社員は自分で問題を解決する能力を高めることができます。これにより、総務担当者への依存が減り、組織全体の効率が向上します。

最後に、生成AIの導入は、企業の競争力を高める要素となるでしょう。効率的な業務運営と迅速な対応が可能になることで、企業は市場での競争力を維持し、成長を続けることができます。生成AIの活用は、今後ますます重要な要素となるでしょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

コラムですべてをお伝えすることはできませんので、「こういうことはできるの?」、「こういう時はどうすればよいの?」、「他社はどういう工夫をしているの?」等々、疑問があれば遠慮なくお問い合わせをいただければと思います。

弊社では、高い技術と知見を持つ数多くのITエンジニアが在籍しており、AIチャットボットだけではなく、来訪者の管理ができる受付システム、ERPの導入からクラウドサービス、ITの運用管理、AI/機械学習、インフラやセキュリティなど、ITを活用するための製品を数多く扱っています。ITシステムの導入や運用保守に関するご相談があれば、遠慮なくお問い合わせいただければ幸いです。