東芝デジタルエンジニアリング株式会社

エンジニアが語る、RFIDの最新状況と活用事例のご紹介

コラムを読んでいただき、ありがとうございます。
このコラムでは、企業様へのRFID導入をサポートしているITエンジニアの視点で、最新RFIDの状況や私が携わったお客様における活用事例をご紹介したいと思います。
RFIDの導入、活用をお考えの皆様に少しでもお役に立てれば嬉しい限りです。

1. RFIDとは?

まずは、"RFID"について、基礎的なことに少し触れたいと思います。
RFIDは、"Radio(無線) Frequency(周波) Identifier(識別子)"の略で、電波を使い『モノ』を識別する技術や識別対象(モノ)に貼る電子タグの総称になります。

識別するモノに"電子タグ"を貼り付けて、RFIDリーダーで読み取ることで、モノを識別するすることができます。
読み取るだけではなく書き換えもできるため、"電子タグ"を使いまわしたり、モノに関する情報を追加で書き込んだりすることができます。

RFIDの仕組み
RFIDの仕組み

"電子タグ"は、紙やシール型から防塵防雨に優れる耐性加工タグ、モノが金属の場合に使用する金属対応タグなど、多種多様な種類が販売されています。

ひと昔前までは電子タグの価格が高く、費用の面でRFIDの導入を見送るお客様が多かったのですが、最近では低コスト化が進み導入のハードルが下がっています。

電子タグの種類
電子タグの種類

モノの識別にはバーコードやQRコードも利用されていますが、RFIDには『数メートルの距離でモノを一括で識別できること』『遮蔽物や電子タグの汚れがあっても読み取りが可能であること』といった特長があります。

RRFIDとバーコード、QRコードの違い
RFID バーコード QRコード
通信方法 無線(電波・電磁波)
遮蔽物 可
光学的反射
遮蔽物 不可
光学的反射
遮蔽物 不可
一括読み取り × ×
最大通信距離 数センチ~
数メートル
10センチ程度 10センチ程度
データ量 メモリ容量により
数千文字
数字13行 数字 約7,000
漢字 約1,800
データ書き換え × ×
汚れの影響 × ×

RFIDとバーコードの比較について 詳しくはこちら

2.RFID導入時の課題と"スモールスタートサービス"

このような背景から、業種を問わず『モノ管理の徹底』『作業ミス防止』『効率化』等を目的にRFIDの導入が進んでいますが、導入の際には以下のような課題をお持ちのお客様が多いようです。

  • RFIDでどこまで読み取れるのかがわからない(事前に試してみたい)
  • RFIDリーダーや電子タグの種類が多く、どれが自社に適しているのかわからない
  • 自社システムとデータを連携したいが、どのように連携したら良いかわからない

このような課題をお問い合わせいただくことが多いことから、当社では、RFID導入の"事前検証"を行い、"短期の導入"をサポートする『RFIDスモールスタートサービス』を提供しています。

RFIDスモールスタートサービスでは、

  • ① RFIDを検証する『トライアル』
  • ② すぐに利用できる『標準機能』
  • ③ 短期導入をサポートする『各種テンプレート』

を提供しています。

① RFIDを検証する『トライアル』

前述の通り、RFID導入の検討では「どのRFIDリーダーが良いのか?」「どういった種類の電子タグがあって、自社にはどの電子タグが最適なのか?」「利用場所での電波状況や認識率はどの程度なのか?」といったお悩みを抱えているお客様が多いようです。

実際、RFIDのリーダーや電子タグは多くのメーカーで製造・販売されていますので、情報を集め、比較して検討するには多大な労力と時間が必要になりますし、経験上、実際の工場や倉庫などの建屋ではカタログ値通りに電波が通じなかったり、電子タグを認識できないことも多くあります。

このため、RFID機器や電子タグの購入、システム開発の前には机上での検討だけでなく、RFIDを利用する現場で検証することが重要になります。電波は目に見えないため、「どこまで読み込めるのか?」を検証するためには、利用シーンをシミュレーションできる環境で確認を繰り返す必要があります。

導入場所で検証することが重要!

また、RFIDを導入するにあたって検討すべき事項として、電子タグを「誰がいつどこで貼り付けるのか?」という課題があります。RFID導入により業務効率化や作業ミス防止が得られる一方で、電子タグを貼りつけるという今までになかった業務が発生することは避けられません。では、業務の増加を極小化するためにはどのように電子タグの貼り付けやシステムとの紐づけを行うべきか?この点についても経験上、ヒントや答えは現場にあることが多いように思います。

『RFIDスモールスタートサービス』では、当社で用意するRFIDリーダーや電子タグを用いて、電波状況や電子タグの認識状況、使い勝手などを現場で検証していただくことができます。
検証では、当社エンジニアが立ち会いますし、RFIDリーダーや最適な電子タグの選定、導入計画などを一緒にサポートさせていただきます。

トライアルについて 詳しくはこちら

② すぐに利用できる『標準機能』

RFIDリーダーと電子タグを購入して、管理したいモノに電子タグを貼り付ければ導入完了ではありません。
管理したいモノや実現したいことに合わせた仕組み(システム)が必要になります。
RFIDリーダーと電子タグだけでは、モノを探したり、モノがどこにあるかを管理することしかできません。

例えば、『RFIDを使って誤入庫・出荷を防止したい』『棚卸しを効率化したい』といったケースでは、RFIDリーダーや電子タグに加え、入庫・出庫情報や棚卸しに必要な情報を管理するデータベース(システム)が必要になります。また、入庫・出庫状態や棚卸しの結果を確認する仕組みも必要になります。
『RFIDを導入する時に事前に検証することが重要』と前述しましたが、RFIDリーダーや電子タグを検証することに加え、誤入庫・出庫防止や棚卸の効率化といった導入目的の実現性の検討も必要になります。

RFIDリーダーや電子タグの検証も終わり、導入目的も検証できた後は、自社の導入目的に合わせて、システムを開発・導入することになりますが、『どういう機能が必要なのか?』『どういうシステムが必要なのか?』『どういう操作性を実現するのか?』等々を検討した上でシステム設計・開発をしてやっと運用開始になります。このように、RFIDを導入するには通常、多くの時間と手間、コストが必要になります。

そこで、当社では物流・倉庫企業様で実際に利用されている機能を汎用化して、RFIDスモールスタートサービスの『標準機能』として提供しています。

すぐに利用できる『標準機能』

現在、標準機能として提供しているのは、『誤入庫・出庫機能』、『棚卸し機能』、『ロケーション管理』の3機能になりますが、今後も増やしていく予定です。

物流・倉庫業向け RFID短期導入パッケージについて 詳しくはこちら

③ 短期導入をサポートする『各種テンプレート』

RFIDを導入して運用を始めるには、導入チェックリストや操作マニュアルなどを揃えておく必要があります。
こういった導入や運用に必要な各種ドキュメントを一から作るのは大変な労力が掛かりますが、『RFIDスモールスタートサービス』では標準化されたテンプレートとして提供させていただきます。
テンプレートをベースに準備することで短期に手軽に準備することができます。

3.RFIDの活用事例

これまで多くのお客様のRFID導入・活用をサポートさせていただきましたが、その中からRFIDを上手に活用しているケースをいくつかご紹介したいと思います。

  • ケース1:入出庫業務での利用

    入出庫指示に従った入庫・出庫業務にRFIDを利用されているケースになります。
    入出庫指示の指定と品物が間違えてないこと、数量が合っていることをRFIDでチェックできるため、誤入出庫を防止することができます。

    ケース1:入出庫業務での利用
  • ケース2:棚卸し業務での利用

    品物に添付された電子タグを一括で読み込み、RFIDを使って品物の棚卸しで利用されているケースになります。
    従来の読み込み方式(バーコードなど)では1個ずつ読み込む手順が必要でしたが、RFIDの場合、1度に700個/秒の一括棚卸しが可能となり、棚卸しに関わる業務の大幅な効率化を実現されています。

    ケース2:棚卸し業務での利用
  • ケース3:荷物検索(位置情報管理)

    ロケーションマップ(倉庫エリアの地図)から品物の保管場所を確認したり、キーワード検索でマップ上から荷物位置を確認したりと品物の位置を管理(ロケーション管理)することで効率的な品物の管理やピッキングを実現されています。

    ケース3:荷物検索(位置情報管理)
  • ケース4:検査工程管理

    多段階の検査を行う業務で、『検査対象物の管理』と『検査プロセス』、『工程ごとの検査結果』を管理するのにRFIDを利用されているケースになります。
    従来は検査対象物の管理と検査プロセス、検査結果が別々に管理され、検査対象物の紛失や結果プロセス漏れなどが発生していましたが、RFIDで集中管理することで、業務ミスの削減、業務効率化を実現されています。

    ケース4:検査工程管理

ITエンジニアとして多くのお客様にRFID導入をサポートさせていただいた立場で、RFID導入時の課題や当社サービスの紹介、RFIDの利用ケースをご紹介させていただきました。

RFIDの導入には、通常のシステムと比べて検討すべき点、検証すべき点が多く存在しています。
「RFIDを活用したいけど検討や検証に時間を掛けられない」、「誰に相談したら良いかわからない」といった課題があれば遠慮なく、ご相談いただければ嬉しい限りです。

RFIDスモールスタートサービスについて 詳しくはこちら

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