事例紹介
生成AI活用サービス AI-no-te® リバースエンジニアリングサービス
導入事例「豊田自動織機様」
生成AIと人手を掛け合わせたリファクタリングで、サービスの製品化に向けた開発環境の整備を推進
導入ソリューション:生成AI活用サービス AI-no-te®(アイノテ) 保守困難なシステムを解析「リバースエンジニアリングサービス」
トヨタグループの源流である豊田自動織機は、自動織機の製造・販売を目的として1926年に創業。繊維機械、自動車、産業車両、エレクトロニクスと事業領域の多角化を進め、現在ではエアジェット織機・フォークリフト・カーエアコン用コンプレッサーの3分野で世界をリードする製品を有している。
先行開発にも積極的な同社では、織機の価値を高めるWebアプリケーションの開発を内製で推進。製品化を見据えてプログラムのリファクタリングに着手した。
課題
- 内製開発したWebアプリケーションの品質、メンテナンス性に課題
- 製品化に向けてコードを整理するため、リファクタリングの検討
- QCDの重視により、生成AIを活用したサービスを保有するパートナーの選定
解決
生成AIとエンジニアを組み合わせてリファクタリングを実行する東芝デジタルエンジニアリングの提案を採用。コードの均一化を図り、可読性・メンテナンス性の向上、属人化の解消を実現。製品化に向けた基盤の整備に成功している。
導入の経緯
Webアプリケーションの内製開発促進に向け、リファクタリングの検討を開始
コードのドキュメント化を進めるが、ソースコードのメンテナンス性に課題
豊田自動織機では、創業以来の事業となる繊維機械の開発・生産・販売をはじめ、自動車・自動車関連部品、産業車両、物流ソリューションなど、多角的なビジネスを展開。同社が織機分野で中核とするエアジェット織機は、グローバル市場で幅広く導入されている。
同社では、製品の競争力を高めるための先行開発も積極的に行っており、織機に関しても、顧客にさらなる付加価値を提供する新サービスに向けたWebアプリケーション開発が内製で進められていた。
ところが外注や専任のシステム開発部門ではなく、先行開発の担当者自身がコードを作成していたため、ドキュメントや設計書の形でまとめ切れておらず、外部ベンダーにリバースエンジニアリングを依頼。ドキュメント化と設計書の作成を行い、開発自体はスムーズに進行。しかし製品化を見据えると不安もあった。
製品化を見据えコード整理に着手し、リファクタリングのパートナーを選定
製品化に向けて、品質の向上、継続的な改善・改修、属人化の解消などを図るため、リファクタリングの検討が開始された。
開発を担当した繊維機械事業部 技術部の井上氏は「製品化を見据えると可読性や保守性を向上させる必要があり、コードの整理、いわゆるリファクタリングは不可欠と考えました」と経緯を説明。コードを均一化することで開発の属人化が解消され、異動などで担当者が変更した際の引継ぎも容易になると導入のメリットにも言及。社内にWeb アプリケーション開発のノウハウが少なかったこともあり、外部のサービスを利用することを検討したと話す。
こうした経緯でプロジェクトを始動した同社は、3社の提案を比較検討。その結果、東芝デジタルエンジニアリングが提供する生成AI活用サービス AI-no-te(アイノテ)「リバースエンジニアリングサービス」の採用を決定した。
サービス導入理由
QCDを意識したリファクタリングには「生成 AI」と「人」の棲み分けが肝要
生成AIと人手(専門技術者)の組み合わせが最適解
実績豊富な東芝デジタルエンジニアリングの提案を採用
実績豊富な東芝デジタル
東芝デジタルエンジニアリングの「リバースエンジニアリングサービス」を採用した理由として、井上氏は同社が重視するQCD(品質・コスト・納期)の要求に対応してくれたことを挙げ、生成AIと人手(専門技術者)を掛け合わせたダブルチェック体制が提案されたことを評価したと語る。
「コードを整理して均一化・標準化するというリファクタリングの主目的に鑑みれば、生成AI の均質な価値観は有用と感じましたが、一方で生成AIが本当に信じられる技術なのかという不安もありました。その面でも、生成AIにすべてを任せるのではなく、人手をかけてダブルチェックを行うという東芝デジタルエンジニアリングさんの提案には安心感がありました」と井上氏。
同じく本プロジェクトに携わっている繊維機械事業部 技術部の松岡氏も「生成AIを利用することで工数を大幅に削減でき、コスト面でも優位性がありました」と、『生成AI活用×人によるチェック』というアプローチの有用性に言及する。同社では、リファクタリングに生成AIを活用することは想定していなかったが、生成AI活用の取り組みや導入事例など東芝デジタルエンジニアリングの実績を信頼して導入を決定したという。
こうして、リバースエンジニアリングで作成された設計書やドキュメントを活用しながら、コーディング規約への準拠を目的としたリファクタリングが行われた。
井上氏は「リバースエンジニアリングは別のベンダーに依頼していたのですが、そこに追加する形で対応していただきたいという要求にも快く対応していただけました」と当社のサポート体制を高く評価。メールでのやり取りはもちろん、Web会議や電話によるフォローアップなど、きめ細かなコミュニケーションで情報共有と意思統一を図れたことで、プロジェクトをスムーズに進行することができたと喜びを口にする。
プロジェクト成功の要因と実際の効果
生成AIを適切に活用し、エンジニアのチェックで信頼性を担保
コードの可読性・保守性が向上し、織機の価値を高める土台作りに成功
本プロジェクトが円滑に進んだ要因の1つは、3カ月という短いプロジェクト期間を6つのフェーズに細分化し、アジャイル方式で進めたことにある。
生成AIが担ったのは「コードの最適化(リファクタリング)」「最適化前・最適化後の単体検査仕様書における機能差異の確認」の2つで、その結果を当社のエンジニアが検証することで、生成AIを適材適所で活かした形でコードの可読性、保守性、拡張性を高めることに成功している。
松岡氏は、「週に1回進捗状況を報告いただき、取り組みのベクトルを合わせられたことで、手戻りなく進めることができたと考えています」と語り、当社の真摯な姿勢と柔軟な対応がもたらした効果に手応えを感じている。
井上氏も「生成AI による工数削減に加え、実績豊富なエンジニアから設計書の書き方や表の作り方・見せ方といったアドバイスをいただきました」と語り、製品化、及び継続的な機能改善・改修に向けてコードの可読性・保守性を担保できたと喜びを口にする。
同社では、本プロジェクトの成果を受け、今後も製品化に向けたアプリケーション開発を継続していく予定だ。将来的には、周辺のアプリケーションとの連携も視野に入れているという同社の取り組みには、今後も注視していく必要がありそうだ。