事例紹介
Blue Prism 導入事例 「株式会社宇徳様」
全社統括管理 RPA「Blue Prism」の導入により定型業務を自動化、事業内でのスモールスタートからグループ会社での活用へ 。
導入ソリューション:全社統括管理 RPA 「Blue Prism」
株式会社 宇徳は、港湾荷役、ロジスティクス、プラント建設に関連する多様なサービスを提供する企業。RFIDを利用した誤搬出検知システムと既存システムとのデータ連携のために導入した「Blue Prism」を活用し、定型業務の自動化を推進。全社・グループ会社での活用へと展開を始めている。
課題
システム間のデータ連携を手入力で行う業務が多数あり、業務効率の改善がうまく進んでいなかった。
解決
- 30項目におよぶ定型業務の自動化により、業務効率の改善を実現した。
-
業務改善プロジェクトチームを組織し一期生7名で特定業務を対象にスモールスタートをきった。
現在では新たに二期生12名体制に拡大し、社内の全事業、グループ会社での活用を視野に、新たなプロジェクトへと展開している。
Blue Prism 導入事例
Blue Prism 導入の背景
RPAツール「Blue Prism」による定型業務の自動化を、これまでのビジネスプロセスを見直すきっかけとして活用
- 誤搬出検知システムと既存システムのデータ連携に RPAを導入
- 既存業務の見直し、人材育成プロジェクトにも RPAを活用
- 合理化できる業務プロセス 80数項目をターゲットに
- 短期導入キットで運用まで短期間で手順化
港湾事業を手がける株式会社 宇徳では、顧客から取得したデータを人の手で転記する作業などの繰り返し業務が多く存在しているが、業務改善がうまく進んでいなかった。同社は、誤搬出検知システムと既存システムを連携するために導入した RPAツール「Blue Prism」を、港湾事業の業務見直しと合理化のためにも活用。
自分たちの業務効率化ツールを自分たちで構築するボトムアップの手法を採用することで、業務に対する意識改革も図りながら、費用対効果の高い定型業務の自動化を実現した。
Blue Prism 導入の経緯
Blue Prismによる自動化で業務の見直しと合理化を実現。意識の変革も推進
株式会社 宇徳の施設部では、RFIDを活用して物流での誤搬出を検知するシステムを導入する計画を進めていた。このシステム開発にあたった東芝情報システムでは、業務支援システムから得た情報を誤搬出検知システムにインプットする自動化ツールとして、RPAツール「Blue Prism」を提案。
他社製の RPAと比較検討した結果、ライセンス数が少なくイニシャルコスト面で有利であること、セキュリティが強固であり、管理も容易であることから導入を決定した。
Blue Prismによる自動化の効果を確認した同社では、かねてから計画していた港湾事業の業務見直しとそのリーダーとなる人材の育成をかねて、Blue Prismを活用した業務改善プロジェクトチームを組織した。
各部署から選出されたメンバーは7名。この中でシステム系の経験者はわずか1名であったことから、東芝情報システムのオリジナルサービスである「短期導入キット」を活用し約20時間の研修を行った。
「短期導入キットは、RPA導入に必要な事柄を決定するためのドキュメントテンプレートが揃っているので、自社の業務に合わせて少し手を加えるだけで運用ルールを決められます。実務で活用できるツールも揃っているので、短期間での導入ができました。」(金氏)
プロジェクトチームが、手作業による煩雑さが課題となる業務をピックアップしたところ、80数項目あることが判明。まずはメンバーが所属する部署で活用できる簡易な自動化ツールをそれぞれが開発し、部署内で活用することから始めた。ルーティンワークが自動化できること、それを部署のメンバーが開発したことから、「それならこの業務も自動化できるはず」といった反応が起こるなど、アピール効果は充分だった。
「既存のシステムから管理会計のデータを何種類か取得して、それを加工して Excelに貼り付けて整形するといった手作業をロボット化し、指示した時間に動作を始め、自席の端末に完了のメッセージが届きます。この間の15分の手作業が不要となるだけでなく、別の仕事に集中できます。」(田中氏)
スモールスタートに始まった Blue Prismの活用は、導入1年弱で全社・グループ会社での活用を視野に新たなプロジェクトへと展開している。
Blue Prism 導入時の工夫と効果
現場からボトムアップで広がる活用
その応用が次々に広がっていく
Blue Prismの導入にあたって、プロジェクトチームのメンバーはまず自分たちの業務をロボット化することから始めた。メンバーは通常の業務のかたわら週に1回集まって Blue Prismの概念やロボット化の手法、対象となる業務などについて検討を重ねていった。
「ロボット化自体を東芝情報システムに依頼する方法もありましたが、その後の運用やメンテナンスを考えると自社内にスペシャリストを育てておきたかったからです。」(金氏)
Blue Prismの研修は2020年8月から10月末まで行われた。
「私はプログラムの経験がなかったので、Blue Prismの概念が腑に落ちるまでには少し時間がかかりました。研修を受けて自分でフローを組んで、うまくいくまで試行錯誤することの繰り返しでした。わからないことがあると、東芝情報システムに画面のキャプチャーを添えて問合せましたが、翌日には回答がかえってくるというスピーディな対応でした。」(武田氏)
この部分の手作業を自動化したいと考えて、それを自分たちで作るからロボットが有効に活用できている。それがトップダウンの自動化との大きな違いだ。
「業務フローの自動化を考えていく際に、東芝情報システムのコンサルタントに相談すると、私たちの考え方に沿った対処方法だけでなく、こうすればもっとシンプルにできるという提案ももらえました。これまでのやり方、慣れている方法から考えがちですが、システム的な視点を備えたコンサルタントのアイデアは新鮮でした。」(田中氏)
Blue Prism の今後の活用
Blue Prism による業務改善の実績を積み重ね
会社全体・グループ会社への展開を
株式会社 宇徳の港湾事業を中心にスモールスタートを切ったBlue Prismによる業務改善プロジェクトは、社内の全事業、グループ会社での活用を視野に、新たなプロジェクトへと展開している。
「Blue Prismを使って業務をロボット化した経験から、先輩から受け継いできた業務も、その手順を部分的に変えることで、自動化の可能性があるのではないかと想像できるようになってきました。」(田中氏)
Blue Prismの導入当初から運用のルール作りなどに関わってきた一期生に加えて、開発に関わる人材として二期生の活動も始まっている。
「これまで、業務改善対象となった80数項目のうち約30項目のロボット化が進んでいて、まもなく完了する予定です。プロジェクトチームの二期生は、港湾事業から6名、Blue Prismの導入を計画しているグループ会社から3名、同じくシステム運用に特化したグループ会社からも3名、合計12名で活動しています。」(金氏)
稼働している大規模なシステムを改変するには、開発時間だけでなく、そのための多額のコストも必要となる。しかし、既存のシステムとPC 、Webを横断し、データを取り出しPC 上で加工してフォームを整えるなどの作業は、Blue Prismを使ってロボット化することが容易にできる。
「自分たちの業務に特化したツールが開発できると認知されたので、開発に充てる時間を業務時間内に確保してもらえました。現在は、OCRとの連携ができないか検討を重ねています。」(武田氏)
株式会社宇徳での Blue Prism活用は、自分たちの手で業務を部分的に自動化しながら、グループ全体の見直しを進めていく手法だ。
必要なサービスを、Blue Prismを使って自分たちで作り上げる。それを可能とする組織・体制づくりとの両輪で、同社はビジネスプロセスの合理化を推進している。
モノを動かす多様なサービスを、さまざまなフィールドで展開
顧客情報
商号 | 株式会社宇徳 |
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所在地 | 神奈川県横浜市中区弁天通6-85 |
設立 | 1915年(大正4年)12月8日 |
資本金 | 21億5,530万円 |
事業内容 |
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