事例紹介
RFIDスマート導入サービス 導入事例 「応用地質株式会社様」
RFIDシステムを試験工程管理に導入し、業務プロセスの ”見える化” を実現
土質・地質の調査品質は用いる手法や機器とともに、培われたノウハウや知見にも大きく左右される。応用地質株式会社は創業当時からこの部分を追求してきただけに市場評価が高く、土質・地質調査の最大手として数多くの案件を手掛ける。そのため年間の試験数は最大延べ9万にも及び、工程管理の担当者は依頼者からの問い合わせ対応や進捗状況の把握に追われ、多忙を極めていた。
また、働き方改革への対応も迫られており、試験業務・工程管理の効率化や情報共有の実現が急務となっていた。
そこで同社は、働き方改革を目指し試験工程の進捗管理効率化に着手。東芝デジタルエンジニアリングの「RFIDスマート導入サービス」により、試験プロセスの ”見える化” を実現した。
課題
- Excelベースの進捗管理では試験進捗がリアルタイムに把握できず、工程問合せ対応で管理者の業務負荷が増大
解決
- 現場負担を増やすことtなく工程管理と状況把握を実現
- 試験情報ポータル上で進捗状況を共有、属人化を排除
多忙を極めた試験進捗の管理と依頼者対応がRFID導入で沈静化
試験の進捗管理者には依頼者からの問い合わせが集中し Excelベースの進捗管理も限界
応用地質株式会社において、依頼者からの多様なサンプル試験を一手に引き受けているのが、コアラボ試験センターだ。前述の通り年間で扱うサンプル数は9万にも達しており、現場の試験担当者や試験管理者は多忙を極めた。業務効率化は喫緊の課題ではあったが、「土や岩石はもろく、ヒトの手に依って慎重な扱いが必要なだけに試験そのものを自動化することは難しいところがあります」とセンター長の柿原芳彦氏。
そこで着目したのが、バックオフィスの工程管理業務だった。
試験から報告までのスケジュール感は前工程の状況や依頼者の都合などで刻一刻と変化する。依頼者からの問い合わせや変更依頼も日常茶飯事であり、対応するためには工程管理と状況把握が求められる。
しかし、従来の進捗管理はExcelをベースに試験担当者が手入力するという環境。入力は面倒な上、多忙な状況下では入力忘れも発生する。正確な進捗が現場と管理者の間で共有されず、依頼者からの問い合わせ時には試験担当者へ直接連絡して確認するなど、業務負荷は膨れ上がるばかり。
進捗管理を担う同センター主担の平松千香氏は「情報が錯綜する中で納期に間に合わないのではと青ざめることも。最終的に試験が終わっていると判明し、胸をなでおろすことも少なくありませんでした」と話す。
RFIDでリアルタイムに試験進捗を把握できる環境を構築し、属人化を排除
こうした属人的な状況から脱却し、情報共有による工程進捗の見える化を実現すべく、同社はRFIDソリューションを導入した。その仕組みは簡単で、ICタグが埋め込まれた紙ラベルを試験開始時と終了時にスキャナで読み取るだけというもの。これによりデータは工程管理システムで管理され、進捗状況は試験情報ポータル上で試験担当者だけでなく全社員で共有することが可能となっている。
「もともとサンプルは紙ラベルで識別して試験工程の進捗を追跡していたので、ラベルにICタグを組み込めば試験フローを変えずに効率化できると考えました」と導入に携わった同センターの陳金賢氏。現場の負担は少なかったという。
ほぼ社内認知が済み本格運用はこれからだが、手応えは上々だ。試験現場ではExcel入力の手間がなくなり従来のような進捗の記入漏れは一掃。管理者も試験担当者を追いかけて確認する負担が大幅に削減された。
進捗状況は試験依頼者にもリアルタイムに共有され、今後は問い合わせ件数も減ってくることが期待される。時間や手間の削減もさることながら、「リアルタイムで試験進捗が見られるようになったことでストレスは大幅に軽減されました」と平松氏。安心感を得られた点を高く評価する。
正確な試験時間の把握など、RFIDの導入効果を大いに実感
加えて、試験待ちの膨大な保管試料から目的のサンプルを探す手間も効率化。これは 読み取り距離の長いRFIDならではのメリットといえる。また、正確な試験時間が見えるため、適切な試験単価の設定にも役立てていく考えだ。
- 現状業務
- 改善後の業務と将来構想
東芝デジタルエンジニアリングを選定した理由
多々あるソリューションから、東芝デジタルエンジニアリングのRFIDスマート導入サービスを選んだ理由について、「ハードからシステム、ソフトウェアまでソリューションとしてワンストップ化されていること。何よりも東芝ブランドに対する信頼感が提案時のプレゼンからも感じ取れました」と語る柿原氏。確かにRFIDシステムは異なるブランドで構成されることが多いため、連携検証などが必要となる。これに対して、グループ会社としての強みを背景に検証済みシステムをワンパッケージで提供できる東芝デジタルエンジニアリングなら、短期間で導入してすぐに使い始めることが可能だ。
今回のプロジェクトではコアラボ試験センターの一部試験業務への導入だが、他からも活用したいとの声が聞こえ始めた。RFIDを含めて様々な技術も視野にシステム環境の拡張を見据えており、東芝デジタルエンジニアリングの提案に期待したいという。
顧客情報
社名 | 応用地質株式会社 |
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所在地 | 東京都千代田区神田美土代町7番地 |
設立 | 1957年(昭和32年)5月 2日 |
資本金 | 161億7,460万円 |
事業内容 | 地球科学に関する深い造詣と知見をバックボーンに、インフラ・メンテナンス/防災・減災/環境/資源・エネルギー分野で土質・地質試験から評価・コンサルティングまで展開 |
URL | https://www.oyo.co.jp/ |
導入プロダクト |