事例紹介
Blue Prism 導入事例 「東芝ITサービス株式会社様」
RPAツール「Blue Prism」でITインフラ運用サポート業務を高度に合理化、自動化で新たな業務領域にもチャレンジ
導入ソリューション:全社統括管理 RPA 「Blue Prism」
東芝ITサービス株式会社では、主にハードウェア系のITシステム導入・運用サポートを提供している。部署ごとに設けた管理部門では品質管理や作業管理の合理化を進めていたが、Blue Prismの導入によりこれまでより格段に高いレベルへと自動化を進めた。
課題
- 各部門のパソコンのセキュリティレポートを部門管理者が任意のタイミングで個別に取得・作成しており、二度手間となっていた。
- レポートの情報取りまとめに追われて、なかなかセキュリティ状態のフォローが進まない。
解決
- Blue Prismの導入でパソコンのセキュリティレポートを自動取得・自動集計してタイムリーに公開することが可能となり、セキュリティ状態のフォローに注力できたため、改善までの時間が短縮できた。
- セキュリティレポートが常に最新化されていることで、部門メンバーの意識も高くなり、セキュリティ向上を実現した。
- これまでセキュリティ情報の集計にかかっていた時間を、自動化によって本来自分が求められている仕事に使えるようになった。
Blue Prism 導入事例
Blue Prism 導入の背景
業務品質の向上や業務コスト改善に対する課題を解決し、人的リソースをより価値の高い業務に割り当てる
- RPAの世界的普及、働き方改革の推進などの状況を踏まえ導入を検討
- 実証実験を重ね複数のRPAツールを比較検討
- VBAやマクロにより進んでいた業務の最適化をさらに推進
- 短期導入キットで準備段階を短縮しスムーズに実運用をスタート
ITシステムの構築や運用サポート等の業務では、品質管理や作業管理が必須であり、その合理化は業務品質の向上や業務コスト改善に直結する。繰り返し作業や各部門で行っている同じような作業を集約できれば、人的リソースをより価値の高い業務に割り当てることができる。
同社は、こうした目標のもと実証実験を実施し、ロボット開発のしやすさ、統合管理機能を備えること、ライセンスコストが適切であることから Blue Prismの導入を決定した。
Blue Prism 導入の経緯
実証実験を重ね、市民開発とロボットの統合管理を重視して Blue Prismを採用
東芝ITサービス株式会社では、RPAツールが世界的に普及する様相を見せていること、働き方改革が進展していることなどにともない、2018年からRPAの導入についての検討を開始した。同社は、PoC(実証実験)を実施して複数のRPAツールを評価したが、PoC参加メンバーから、自部門で開発しやすい製品の方が良いという声が多かったため、この条件を前提に製品を絞り込んでいった。
「エンドユーザーがアプリケーションを開発するいわゆる市民開発を前提とすると、Blue Prismにはロボット開発のしやすさという優位点がありましたし、ライセンスコストも適切でした。一番の決め手となったのは、ロボットを統合管理できる機能を有していることでした」と同社のIT担当であり、RPAの立ち上げと運用に関わった小池康幸氏は振り返る。
開発されたロボットについて、誰が作ったどんなロボットか、いつ実行されたなどを管理者が把握して、必要に応じて特定のロボットを無効化できる機能は、エンドユーザーが開発するうえでは極めて重要だからだ。
同社はPoCにおける評価結果を元に再評価を行い、最終的にエンタープライズに対応できる Blue Prismの導入を決定した。
2019年の導入の初期から、システムの構築や導入時の問い合わせ対応などにおいて、同社と東芝情報システムとはさまざまな形で連携した。
「東芝情報システム側から提供された初期導入キットは、実際に現場に展開をしていく準備期間、導入時に大変役に立ちました。ロボット統制の体制構築、ロボットのドキュメント化などでも活用しました。自動化申請のための Excel帳票や、ルール作りのためのドキュメントなどがいろいろと用意されていたので、そのまま活用したり、参考にして我々もいろいろなものを組み立てていったり、スムーズな態勢づくりに大変役に立ちました」(小池氏)。
2020年2月から4月にかけて、同社もコロナ禍の影響で在宅勤務を一気に進める必要に迫られた。
「在宅勤務態勢のための準備は、大変な仕事になりました。問い合わせだけでも通常の時期の二倍以上。それでもうまく対応できたのは、面倒な仕事をすでにロボット化できていたからです。実際に在宅勤務が始まっても、ロボット化した業務プロセスは、全く停止することなく稼働し続けました。そのため、他の業務への準備にリソースを集約することができました」(小池氏)。
Blue Prism 導入時の工夫と効果
Blue Prismの社内教育コースを立ち上げ、ロボット開発に取り組みやすい環境も整備
ロボットの開発は一定の技術が必要であることはPoCの段階で確認できていた。そのため、基礎・応用の社内教育コースを立ち上げて定期開催し、RPA開発者を育成する環境を作った。現在では、200名以上が受講を終えている。
ロボット開発は通常業務と並行して行うことにしたため、現場の理解を得ないと開発に集中できない。そこで、Blue Prismによる業務改善計画と目標値を IT戦略目標として設定し各部門と合意することで、開発者が時間を取りやすい工夫もした。
「開発時間を確保するために、Blue Prismによる自動化を各部門でどこまで実施するのかを私から管理職に説明して、半年~1年単位の計画について合意してもらい、各部門でその目標値に従って開発・展開をしました」(小池氏)。
一般に RPAの用途としては、特定のデータをピックアップして、それを加工してからシステムに入力するなどの手順の決まった作業を洗い出して、それを自動化していくものが多い。東芝ITサービス株式会社でも、もちろんそうした用途に Blue Prismを最大限活用している。
「手順書が作られているような作業を自動化して時間が浮くのは、もちろん導入効果と言えるでしょう。でもそれだけではなくて、浮いた時間で何をするか、手作業ではむずかしかったことをどう実現するかという点も重要だと思っています。作業の準備、Excelへの展開・整形に3時間くらいかかる仕事を一人で担当すると週1回が精一杯でタイムリーな情報提供がむずかしかった。そういった繰り返し作業が自分の端末でないところで自動的に実行できるなら、情報提供を毎日できるようになる。その時間を、本来自分が求められている仕事に使えるようになる。これが導入の一番大きい効果だと思います」(小池氏)。
Blue Prism の今後の活用
Blue Prismで自動化することによって可能となる、高度な業務改善をこれからも
東芝ITサービス株式会社の注文システムでは、発注書が添付ファイルとして届く。この注文書は、製品の手配時にはエビデンスとなるものだが、セキュリティの関係上、進捗管理システムとは直結していない。そのためこれまでは、手順書に従って注文システムから発注書をダウンロードして手作業で進捗管理システムに貼り付ける作業が必要だった。
この作業を Blue Prismを使って自動化したことにより、これまで以上にスピーディに進捗管理システム上で発注書が確認できるようになり、一連の作業の実行がスムーズにできるようになった。
また同社では、PCやスマートフォンのセキュリティ状況を、部門毎に担当者が手作業で行ってきたが、これも負担の大きい仕事だった。小池氏はこれを自動化して、セキュリティ状態を全社レポートとして社内公開する仕組みを開発した。資産管理システムから、パッチや端末の種類ごとにデータを抜き出して一覧にまとめる仕組みだが、手作業であれば慣れていても5時間近くを要する作業だ。最新の情報を提供したいと考えても毎日行える作業量ではなかった。
「夜間にデータを収集してリスト化し、パッチの適用状況やタブレットのOSバージョン、インストールされているアプリケーションなどのデータを誰もが見えるようにしました。それによって、パッチ適用やアップデート適用期限までの完了率が格段に向上しました。皆さんが自発的に好ましい状態を作り、セキュリティが向上したわけです」(小池氏)。
自動化のメリットは、部門担当者がデータを作成する時間がゼロになっただけではない。IT管理部門もバージョンの違いによる対応手順への考慮の負担が減り、本来業務に時間を割くことができるようになった。
同社は今後も、Blue Prismによる業務効率化を進め、より価値の高い業務に人的リソースを集中する考えだ。
端末のセキュリティ状態を収集し社内ポータルで公開する作業を自動化、セキュリティ向上を実現
- 月1回のレポート提供では部門ニーズと合わず、部門管理者が任意のタイミングで個別レポートを取得・作成しており、二度手間となっていた
- レポートの情報取りまとめに追われてなかなかフォローが進まない
- 各部門の管理者はタイムリーな情報に基づき、フォローに注力できるようになり、セキュリティ状態の改善までの時間が短縮できた
- 部門メンバーの意識も高くなり、セキュリティ向上を実現
- 月1回のレポート提供では部門ニーズと合わず、部門管理者が任意のタイミングで個別レポートを取得・作成しており、二度手間となっていた
- レポートの情報取りまとめに追われてなかなかフォローが進まない
- 各部門の管理者はタイムリーな情報に基づき、フォローに注力できるようになり、セキュリティ状態の改善までの時間が短縮できた
- 部門メンバーの意識も高くなり、セキュリティ向上を実現
顧客情報
商号 | 東芝ITサービス株式会社 |
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所在地 | 神奈川県川崎市川崎区日進町1-53 |
設立 | 2002年(平成14年)10月 |
資本金 | 10億5,300万円 |
事業内容 |
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URL | |
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コラム|新型コロナ対策で再び注目されるRPA、さまざまな業種や業務への導入を多数支援してきた経験からRPAの導入で陥りやすい失敗パターンを分析したうえで、失敗させない成功の秘訣をご紹介します。